腸内細菌移植とは
私たちの腸内には、善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌群など)、悪玉菌(クロストリジウム、大腸菌、連鎖球菌など)、日和見菌(バクテロイデス、プレボテラなど)といった、細かく分類すると3万種類程度の菌が生息しているといわれています。こうした菌を顕微鏡で観察した時に、まるでお花畑(フローラ)のように見えることから、「腸内フローラ(細菌叢)」と呼ばれています。
腸内フローラのバランスが整っていると、お体や心の健康が保たれる一方、バランスが崩れてしまうと、便秘や下痢などの腸の不調が起こるだけでなく、アレルギー性疾患、肥満、うつ症状など、一見、腸とは関係がなさそうに思える症状も現れることがあります。このような不調・症状・疾患を改善するための方法として、「腸内細菌移植」という治療が注目されています。これは、バランスが崩れた腸内フローラを整えるために、健康な人の腸内フローラを患者様の腸へ直接注入する方法です。
腸内細菌移植により、腸内フローラのバランスを整えることで、便秘・下痢の解消、肥満予防・改善、免疫機能の向上、抗アレルギー作用、エイジングケア、動脈硬化の予防、がんの予防・治療など、幅広い効果を得ることができるようになります。
腸内細菌移植の効果
期待できる主な効果
- 便秘・下痢の解消
- 肥満予防・改
- 免疫機能の向上
- 抗アレルギー作用
- エイジングケア
- 動脈硬化の予防
- がんの予防・治療
- 糖尿病の予防・改善
- うつ症状の軽減
など
腸内細菌移植の主な適応疾患
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 過敏性腸症候群
- 感染性腸炎
- アトピー性皮膚炎
- 自己免疫疾患
- 糖尿病
- メタボリックシンドローム
- 小腸内細菌異常増殖症(SIBO)
- うつ症状・自閉症
など
腸内細菌移植の流れ
1カウンセリング
患者様から、現在のお困りの症状などを詳しくおうかがいします。なお、ご来院の際には、朝食は軽めに済ませるようにしてください。排便も済ませていただいた方が、スムーズに診療が受けられます。
2腸内洗浄
ろ過・殺菌した温水を肛門から注入することで、腸内をきれいに洗浄します。
3腸内細菌の移植
バランスが崩れた腸内フローラを整えるために、健康な人の腸内フローラを患者様の腸へ直接注入します。
4終了
治療が終了しましたら、10分程度ご休憩していただいた後、今後の生活習慣の改善などをアドバイスしたり、必要なサプリメントをお渡ししたりします。