クリニックBLOG

2015年12月 7日 月曜日

エビデンスとは,そして腸内洗浄

こんにちは 


前回の改正薬事法違反の記事,
読んでいただけましでしょうか.


本日は,前回に引き続き,朝の情報番組「スッキリ」
の中で医師によりコメントされていた,
「エビデンスのない治療は,危険です」 の
エビデンスについてと,
腸内洗浄について,ブログにしてみたいと思いマス
おつきあい下さい.



2.エビデンス とは.

番組の中で,件の女医がコメントしていました.
「エビデンスのない治療は,危険です」と.
この場合のエビデンスは,どういう意味でしょう.
エビデンスがある,ない,とは,どういう事でしょう.


一般的に英語の エビデンス(evidence) は,
証拠,根拠,証明,さらには(・・・を)明白にするもの,
といった意味で使用されます.そして,
医学研究においては,このエビデンスに,
クオリティーのレベルがつけられて,
RCT:Randomized Controlled Trial
(ランダム化比較試験)が評価のバイアス(偏り)を避け,
客観的に治療効果を評価することが可能な
研究試験の方法であるとされています.

また,
このランダム化比較試験を複数集め
解析したものをメタアナリシスと言いますが
メタアナリシスは,RCTよりもさらに
根拠の質の高い研究手法とされています.


番組の中にのべられたエビデンスとは
恐らくこのRCTまたはメタアナリシスを意味すると
思われますが,いまの日本の臨床では,
必ずしも全ての治療において
いわゆる質の良いエビデンスが
そろっているわけではありません.

小規模なRCTがあればまだ良い方で,
後向き研究だけ,
なかには,
エキスパートの意見なんて云うのもあったりして,
・・・・・・・・・
なのであります.


たとえば私が昔懸命になって救命していた
心肺停止の患者さんでは,
「エピネフリン」と云う薬剤が古くから用いられていて,
今や救命治療には無くてはならない薬ですが,
実はRCTは無いのです.
(投与量の試験はありましたね)

今となっては,エピネフリンを投与しない試験デザインが
倫理的に難しい事や,効果がほぼ明らかな事から
RCTをデザインするのはかなり厳しいでしょう.

がんの治療プロトコルでも,症例数の少なさから
RCTをデザインするのが困難なため,
後ろ向き試験や症例報告,
エキスパートオピニオンで
構成している場合もあります.

日常臨床で医師の皆さんが何気なく使っている
薬や治療法でも
エビデンスレベルの高くないものが,多々あります.
しかし,
これらは,けしてエビデンスが無いのではありません.
まだ,明らかにされていないだけなのです.

すなわち
番組の医師が用いていた,
「エビデンスの無い」
という言い方は,非常に不適切です.
明らかにされていない,
或いは
確立されていない
という表現を用いるべきだと思います.
エビデンスが無い治療が危険だとしたら,
多くの臨床的治療が,
危険でやめるべき治療になってしまいます.


「エビデンスの無い治療」
市井の,一般の医師が用いるのであれば,
目くじら立てる必要もないでしょうが,
少なくとも評論家として番組に出て
評論を生業とし
世に意見を述べようというのであれば,
言葉の選択,言葉の使い方について
もっとシビアであるべきかと思います.


と,ここまで書いて,理屈っぽくなってしまった
のですが,
ここからさらに,腸内洗浄について,
読んでくれる方は,ほとんど皆無でしょうから
日を改めます.

次回,
3.腸内洗浄について
コーヒー浣腸と合わせてブログ致します.

こんばんは,ここまで.

じゃっ,
また.


                 foot院長


投稿者 堂島ライフケアクリニック

アクセス



〒530-0002
大阪府大阪市北区曾根崎新地1-3-16京富ビル4F

お問い合わせ 詳しくはこちら